紙から立体へ
古いチケットとかを保存している引き出しを整理していたら、フィルムケースが2つ出てきた。中身を見ると、紙を巻いて作った玉が出てきた。高校三年のある日、四角い紙は巻いていくと円柱になるが、それなら巻いていくと球になる形があるはずだ、と思いついて作ったものだ。展開図はどんな形になるのか、ちょっと恐いような探求心がわき起こり、紙の厚さとか糊の厚さとかいろいろ考えて式を作った。電卓で計算して方眼紙にグラフを描き、それを型紙として紙を切り糊を付けて巻いていくと、たしかに球に近いものはできるが、なかなか球にはならない。5つほど作っていやになり、逆にいい加減に切った紙を巻くとどんな形になるか、という方に興味が移っていろんな玉を作った。
左から、最も球に近いもの、紙を色鉛筆で黄色く塗って巻いたもの、チョコレートの包装紙を切って巻いたもの。糊を付けながら巻いていくので、ベタベタになって汚れを巻き込んだり、巻きがずれてしまったり大変難しい。色鉛筆で塗ったものは、紙がぶ厚くなって、ふくらんでしまっている。右端のチョコレートの紙は、巻き終わったときは良い感じだったが、糊が多すぎたせいか乾かしている間に下にずれてしまった。
これは、本屋さんが付けてくれた本のカバー紙を、適当に切って巻いたもの。短時間でたくさん作れる。苦労して計算して作ったものより、こちらの方が見栄えがいいのがショックだ。
作ったあと2~3日かけて乾かして、机の引き出しにころがしていたが、ずっと後になってフィルムケースに入れた。捨てるに忍びなかったのだろう。
紙から立体物ができる、ということで思い出すのは、幼稚園のときに作ったチューリップかばんだ。白い画用紙にクレヨンでチューリップの絵を描き、2枚重ねて切り抜く。上のギザギザの所を残して糊で貼り合わせ、細長く切った画用紙のベルトを付ければ、チューリップかばんの出来上がり。中にハンカチやおやつのお菓子を入れて、みんな大喜びだ。平べったい紙が、中にものが入るかばんになる、という衝撃的な出来事に胸がドキドキしたのを今でも思い出す。みんなもう他のことをやっているのに、もう一つ作る、もう一つ作るといって、先生を困らせてしまった。
| 固定リンク
「数学」カテゴリの記事
- 鏡が左右逆に見えるのは、向かい合って映るから(2018.10.21)
- 分数の割り算は逆数を掛ける?(2018.06.03)
- 0の0乗について(2)(2017.12.30)
- 0乗,1乗,2乗,べき乗について(2017.12.20)
- マイナス掛けるマイナスはプラスの理由(2014.09.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント