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2011年3月

2011年3月19日 (土)

福島第一原発事故

 太陽や地球ができたのは、46億年くらい前といわれてる。
現在の宇宙の始まりを137億年前のビッグバンとすると、第1世代の星が誕生して超新星爆発し、その残がいから第2世代の星が生まれ…という、世代交代を繰り返してきたのだ。
その中で、水素(陽子は1個)やヘリウム(陽子は2個)といった小さな原子から、炭素(陽子は6個)酸素(陽子は8個)そして、ウラン(陽子は92個)といった大きな原子までが自然に生成されてきた。
これらが材料となって地球ができたのだ。
 原子核に92個の陽子を含む元素をウランと呼ぶが、原子核には陽子の他に中性子がたくさんある。
中性子が146個あるものをウラン238という。238というのは、陽子の数92と中性子の数146を足した数だ。自然に存在するウランのほとんどは、このウラン238だという。

 同じウランでも中性子が143個のものはウラン235といい、これが原子力エネルギーの「燃料」として利用されている。なぜこれが「燃料」になるかというと、ウラン235に中性子が1個取り込まれると原子核が2つに割れて、もっと小さい2つの原子に変わる。ヨウ素やセシウムやジルコニウムなどだ。
これが核分裂反応で、同時に数個の中性子と大量の熱を放出する。つまり、燃やさなくても熱が出るので「燃料」になるというわけだ。燃やさないから二酸化炭素が出ないので、クリーンエネルギーともいわれる。

 放出された中性子は、近くのウラン235に吸収されるとさらに核分裂を起こす。この連鎖反応が安定して続く状態を臨界状態という。中性子の量をうまくコントロールして臨界状態を維持し、熱エネルギーを安定して取り出すのが原子炉だ。一気に核分裂を起こさせると核爆発がおきる。これが核爆弾だ。

 核分裂でできた2つの原子も不安定で、中性子が電子を放射して陽子になるなどして、安定な原子になるまで崩壊を続ける。放射される電子はベータ線と呼ばれ大変危険なものだ。このときに出る熱が「崩壊熱」だ。福島第一原発の核燃料棒は、原子炉を停止しても核反応は止められないので、「崩壊熱」でどんどん熱くなる。だから必死で冷却する必要があるのだ。
燃料棒に多量に含まれるウラン238は、中性子を当てなくても自然にゆっくり崩壊し、最後は鉛になる。この間に有害な放射線を出し続ける。

 核反応をコントロールしてエネルギーを取り出すというのは、とても大胆なアイデアで、それが実現して日常生活に使われているというのはすごいことだと思う。原子力の平和利用は大切な課題だと思う。しかし、福島第1原発事故では不正確な情報があふれ、関西に住む私までがかつてないショックをうけている。

 科学技術が発展する一方で、理科離れが進んでいる。これは大多数の人が原理も知らずにブラックボックスの恩恵を受けて暮らす社会になっていく、ということだ。これは危機に対する楽観論や風評被害を生み、人が人を傷つけることにつながる。科学技術についてのリテラシーを高めることは、安全で平和な世の中を維持するための必要条件ではないだろうか。

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