0の0乗について
0 の 0乗は、コンピュータでは通常 1 として扱われる。
これは便宜上のお約束なのだろうか、それとも根拠のあることなのだろうか。
0 の 0乗とは、べき乗の定義から考えると 1 に 0 を 0 回掛けるということだから、答えは 1 である。
答えは明快だが、摩訶不思議な議論が難しく語られているので、もう少し考えてみよう。
0 の 1乗とか、0 の 2乗とか考えていくと、どんな数でも 0 を掛けると 0 になってしまうので、それ以上の情報は得られない。
そこで、とても 0 に近い数のべき乗がどうなるか考えてみよう。
次のグラフは、0.1 の x乗、0.01 のx乗、… 0.0000000001 の x乗のグラフを重ね合わせたものだ。
グラフの作成には、JS関数グラフ作成ツールというソフトを使用した。
カーブがいちばん緩やかなのが 0.1 の x乗( y=0.1^x )で、以降はx軸・y軸に接近していくのが分かる。
数字が 0 に近づくほどカーブは直線的になっていき、軸に密着していく。
もう一点、これらの一連のグラフは x=0 のとき、しっかり y=1 を通っていることもわかる。
べき乗は、整数ばかりではなく小数でも計算できるので、x が整数の 1 や 2 以外のところでもグラフはつながっている。
乗数が小数というのは、たとえば 0.5乗=2分の1乗=√(平方根)という意味だ。
つまり、1乗の半分=2回掛けたらその数になるという意味で、平方根の定義そのものだ。
同様に3分の1乗は3回掛けたらその数になるという意味だから、立方根のことだ。
話を 0 の x乗に戻そう。
0.000…01 と 0 をどんどん増やしていくと、いくらでも 0 に近づくことができる。
「ここまで」という限界はない。
そして、その 0 にものすごく近い数の x乗も計算できて、グラフは必ず x=0, y=1 の点をとおる。
しかしいくら 0 に近い数であっても、けっして 0 ではない。
そして、その「先」にある 0 の x乗はどうなるか。
0 の x乗は定義どおり、x が 0 より大きいときは 0 (x軸)、x=0 のときは 1、x が 0 より小さいときは不定となる。
これは感覚的にも理解できることだ。
0 と無限はつながっている.......。
ここにこそ、これから解明していくべき「不思議」があるのではないか。
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